トップ > 資格を活かすには > やってみよう!Excel VBAで業務改善! > 次なるイノベーション編: 第6話「リストのアドレスを取得しよう!」3/4 :マクロ記録の限界

やってみよう!Excel VBAで業務改善! 次なるイノベーション編|第6話 「リストのアドレスを取得しよう!」

マクロ記録の限界

2-4 マクロ記録の限界

マクロ記録は、実際に行った操作をVBAのコードに変換してくれる便利な機能です。これからVBAを
学習するユーザーには、VBAの世界を手軽に体感できる入門的な機能かもしれません。しかし、マク
ロ記録の使い方を誤解しているユーザーが多いのも事実です。マクロ記録はマクロを「作成する」
機能ではなく、わからないところを「調べる」機能です。

(中略)

マクロ記録だけで実用的なマクロを作成するのは無理があります。なぜなら、マクロ記録には次の
ような特徴があるからです。

(中略)

マクロ記録では、これらステートメントや関数が決して記録されません。ステートメントや関数を
使わないで実用的なマクロを作成することは不可能でしょう。

                                                        < ベーシック公式テキスト P21 >

「5章の"変数と定数"や、7章の"ステートメント"、8章の"関数"なんかは、なんでとばしたの?」 「…はい。昨日、先輩と勉強してて思ったんですが、
このあたりの内容は、おそらく自分が今までやってきた勉強と大差ないっス。
それよりも、Excelの機能に関連した部分を、先に理解する必要があると感じました」
岬さんは満面の笑みを浮かべて、ウンウンとうなずきます。

「(よかった。この子、あたしの言ったことをちゃんと理解しているわ…)
そうね。このテキストは、あくまで初心者向けに書かれたものだから…、
あなたの場合、その方がいいかもね」
岬さんにほめられて、森川くんの顔が真っ赤になります。
彼は、ポケットからハンカチを取り出すと、汗ばんだ額を拭いました。

「あ、ありがとうございます。
…今日も一日、よろしくお願いしますっス!」
そう言うと森川くんは、大急ぎで自分の席に椅子を取りに行きました。
彼女はその後ろ姿を、暖かいまなざしで見つめます。

一覧にもどる