VBA エキスパートに取り組んだきっかけ、目的
本校は、経済産業省「情報処理技術者試験」において、通算3,400 名以上の合格者を輩出しています。これは中四国地方の専門学校では自他ともに認めるトップクラスの合格実績であり、現在も合格者が誕生し続けています。
過去には、システムエンジニアやプログラマなど、いわゆる「情報処理技術者の登竜門」と位置づけられていたこの国家資格も、EUC(エンドユーザコンピューティング)の時流に合わせた試験制度の改革や、新たな試験区分(IT パスポート試験)の設置など、高度 スペシャリストから末端のコンピュータ利用者まで網羅する試験として見直しが図られました。
本校で開講している情報システムコース・情報処理コース・IT会計コースにおいても、基本的な情報スキルを身につけている証として情報処理技術者試験の受験を推し進めています。しかし、公的試験であるがゆえに汎用的な試験内容に留まっており、実務と乖離しているのが実情です。
即戦力の人材育成を目指す本校にとって、国家資格では網羅できない「特定のアプリケーションに特化した技術」を教授することも重要な使命であると考えます。
数年前より、本校を訪れる卒業生や企業の人事担当者から「ExcelVBA を利用したシステム構築の必要性」についての声が上がるようになりました。 本校の「VBA エキスパート」への取り組みは、こうした「より実務的で、実社会ですぐにでも活用できるスキル」を学生に教授し、ワンランク上のキャリア醸成を目的としてスタートしました。
情報処理技術者試験を基盤知識と位置づけ、その上に特化したベンダー系スキルを構築する という概念を機軸にカリキュラム構築を行っています。
取り組みの内容
本校に入学してくる学生のレベルは様々で、オフィス系ソフトの経験も出身高校によって偏りがあります。まずは初心者を想定した基礎演習として「アプリケーション演習(Word・Excel ・Access ) 」で基本操作を習得します。次の応用段階として履修する「Microsoft Office 総合演習」という科目で、Office ソフト間での連携、マクロ構築、VBA など高度な活用スキルを学びます。
特に、定型業務を自動化するVBA はより実務的な技術として学生にも好評です。手軽にプログラミングできるという特徴から、IT スペシャリストを志す学生のみならず、事務系の就職を希望する学生にもスムーズに受け入れられ意欲的に取り組んでいます。
VBA エキスパートに取り組んでよかったこと
前述のとおり、本校ではIT スペシャリストを志す学生だけでなく、一般事務や総務・経理職などを希望する学生に対してもVBA エキスパートを推奨し積極的に取得しています。一般的なExcel・Access の利用法を越えた応用技術は、それを学ぶこと自体が学生の自信となり意欲喚起につながっています。
就職活動においても「Microsoft Office を生産的に運用できる人材」として各方面から評価され、ライバルに差をつける武器となっています。また、この資格を取得し就職していったOB・OG の多くが、IT化を推進するリーダーとして能力を発揮しています。
今後の取り組みについて
初心者も短期間にITスペシャリストに
本校では、IT プロフェッショナル(システムエンジニアやプログラマ)を育成する「情報シス
テムコース(3 年課程)」「情報処理コース(2 年課程)」と、一般事務・ビジネス系の人材を育
成する「IT 会計コース(2 年課程)」においてVBA エキスパートの受験を推進しています。
今後も、さらにカリキュラムを整理・再構築し、各コースのコンセプトに合わせて「VBA
Professional Office」「Excel VBA ベーシック/スタンダード」「Access VBA ベーシック/ス
タンダード」のすみ分けを行いたいと考えています。
「学生個々の目標が何処にあり、今何を教授すべきか。」・・・こうしたオーダーメイドレベル
の教育が本校の強さの源です。それを具現化したものとしてVBA エキスパートを活用していきたいと考えています。
※掲載内容は2010年11月時点のものです。