Access VBA 公式テキストの著者。Microsoft MVP受賞のほか、Excel VBAで開発したゲームは、日本ゲーム大賞や文化庁メディア芸術祭でも受賞するなど、高く評価されている。VBAに限らない高いスキルと豊富な開発経験を活かし、現在はSI会社を設立。執筆やシステム開発で活躍中。本コラムのイラストも手がける。
今、企業を取り巻くシステム開発の流れが大きく変わろうとしています。刻々と移り変わっていくOSやOfficeアプリケーションなど現代のコンピューティング環境の中、これまで主流だったアウトソーシングによる大規模システム開発は、コスト・時間の両面において、ともに限界を迎えつつあります。つまり多大な費用と期間をかけて構築したシステムが、すぐに今のコンピューティング環境に適応できなくなるという、悪循環が起きているのです。
このような情勢の中、現在の企業に求められる開発ニーズは、よりスピーディかつコストパフォーマンスに優れた効率の良い小規模システムの開発であり、それを行うことのできる優れた社内人材の育成にあります。"VBA"によるシステム開発は、そういった企業ニーズに対し、まさに最適なソリューションを与えてくれるものといえるでしょう。
VBAは、実際の業務でOfficeアプリケーションを使用するエンドユーザーの方が、自らの業務知識を活かし、効率を向上させるためのアプリケーション開発を行うことができるという、理想的な開発言語です。さらに特筆すべきは、現在使用している Officeアプリケーション本体に、VBAで開発を行うための環境がすでに実装されており、別途用意する必要がないという点です。つまり必要なものは、"VBA"に対する知識そのものであり、人材に対する教育なのです。しかもVBAは他の開発言語に比べ、習得が容易で短期間にマスター・開発が行えるという、優れたメリットをもっています。
当コラム、武藤玄の「やってみよう! Excel VBAで業務改善!」は、多くの企業が日常的に抱える業務上の問題点を、VBAによるプログラム開発を通して解決していくという部分に主眼を置き構成されています。当コラムを通し「"VBA"とはなんなのか?」「VBAによってどのように業務が改善されるのか?」を、ぜひ体感してください。VBAのすばらしさを一人でも多くの方にご理解いただき、VBAによる開発・人材の育成を皆さまの会社で実践していただけましたら、これに勝る喜びはありません。
武藤 玄