「そうだな…。
その前に"システム"と呼ばれるものが何をやってるのか、もう少し詳しく知っておく必要があるな…。
ちょっとまってろ」
八木くんは先ほど作った図の下に、新しい図を追加しました。
「こんなもんか…。
この図のように、どんなシステムも基本的にやってることはあるデータを"入力(用意)"し、
それを決められた方法で"加工(計算)"し、そして何らかの方法で"出力(保存)"する、
という作業をやっているにすぎない。
つまり処理したい業務に応じて、どんなデータを"用意"し、どのように"計算"させ、
どんな形で"出力"するかを、あらかじめ想定しておく必要があるんだ。
この作業を"設計"と呼ぶよ」
「この前教えてもらった、処理の内容を"日本語"にして紙に書く。
あれと同じことを行うのかい?」
星くんが、ハッと思い出したようにいいました。
「う~ん、ちょっと違うな…。
あれは処理したい内容を、日本語からVBAの言語に置き換えるための手法だよ。
今、話してるのは業務を処理するために、そもそもどんなVBAのプログラムが必要なのか、
前もって考えておく必要がある…という話だよ」
「なるほど…あの作業のさらに前の作業ということか…」
「うん。例えば、処理に必要なデータはどうやって用意するのか?
ユーザーに手で入力させるのか、ファイルをインポートするのか、ワークシートやデータベースから読み込むのか…。
さらに、処理の結果のデータをどうするのか?
画面に表示するのか、帳票に印刷するのか、それともファイルに出力して保存するのか…。
こういったことを事前に考えておかないと、どんなVBAのプログラムを用意したらいいか見当もつかないだろう?」
星くんは、八木くんの話を聞いて固まってしまいました。
そんな星くんにおかまいなく、八木くんは解説を続けます。