きっと役に立つ
「まあ、そうしょげるな。これも仕事なんだろ?
今、八木特製ブレンドをいれるから、少し待ってろ」
八木くんはキッチンにいき、コーヒーをいれ始めました。
「…ただ、おまえの部長が社長賞を狙ってるという話。
これが本当なら、おそらくそれだけの改善効果が、このシステムにはあるんだろうな。
あと、この手のCSVファイルによるデータのやり取り。
これも、いまだによくあることさ。
今回の開発は、きっと今後の開発でも、似たようなケースで流用できるはずだ。
やっておいて、損はないよ」
キッチンから戻ってきた八木くんは、いれたての八木特製ブレンドを星くんに手渡しました。
「…さて。これを飲んだら、久しぶりにVBAの勉強をするか!
テキストファイルの操作は、まだやったことがなかったよな、星?」
八木くんはメガネの奥をキラッと輝かせます。
「テキストファイルの操作?
CSVファイルの取り込みと何か関係あるのかい?」
がくっ…。
星くんの質問に、八木くんは思わず肩を落としました。
「…CSVというのは"Comma Separated Values"の略で、
データをカンマ(",")で区切って並べたファイルのことをいうんだ。
でもその実体は単なるテキストファイルで、テキストエディタで開いて普通に編集することもできるんだよ」
「ほええ~そうなんだ…。
CSVファイルっていうと、なんだか難しそうに聞こえるけど、中身はただのテキストファイルなんだね」
「うん。だから、VBAでCSVファイルを取り込むときも、
テキストファイルとして取り込むことで、中身のデータを自由に扱うことができる…。
ちょっと待ってろ」