小口さんの開発案件
「今から3人で、重要なシステムの打ち合わせをしたい。
…どこか空いている会議室を使うか…」
営業課の小口さんに声をかけられた星くん。
なぜか岩田部長も含めた3人で、急きょシステムの打ち合わせをすることになりました。
会議室に入り…席につくやいなや、岩田部長が口を開きました。
「星、早速だが今開発しているすべての開発案件をいったんストップし、
これから説明するシステムを最優先で開発してほしい。
…小口くん、説明してくれ」
「承知しました。岩田さん」
小口さんが、ガサガサと書類をテーブルに広げ始めました。
「星、わかってると思うが、我が社は生産の8割近くを客先のA社から受注し、
その売り上げで食っている会社だ。
当然、知ってるよな?」
「はい。もちろんです、オー…小口さん」
星くんはまちがえてオーグチさんといわないよう、気をつけながら返事をします。
「…で、その受注から納品までの期間が平均1.5ヶ月と長い。
必然的に、翌月、翌々月の内示数(受注予定数)を教えてもらい、早め、早めの生産を心がけているわけだ。
この部分もオッケーだな?」
星くんが、フンフンとうなずきます。