その後、調子はいかがですか?
「………。そうか。
ならいいんだが…、本当に順調に動いているか一度、自分の目で確認したほうがいいんじゃないのかな?」
八木くんの言葉に、星くんは石のように固まってしまいます。
イヤな予感とともに…、冷たい汗がツーッと背中に流れるのを感じました。
翌日、出社した星くんはイの一番に泉先輩の席へ向かいます。
「あ、星くん、おはよう。
昨日いってたシステム、どう?うまくいきそう?」
「おはようございます、先輩。その前に、1つ確認させてください。
以前作った、"オーダー表 追加アイテム確認システム"。その後、調子はいかがですか?」
「…あ、ああ。あれね。
うん、まあ…最近、ちょっと使ってないかな…」
「使ってない?オーダー表の件数が減ったんですか?」
「い、いえ。そんなことは、ないけど…。あ、あの。あれね。
ときどき、おかしいときがあるっていうか…。
ちょっと、うまくいかないっていうか…」
星くんの顔から、サーッと血の気が引きました。
てっきり順調に動いていると思っていたシステムが、実はそうではなかったのです。
星くんの心臓が、バクバクと鳴り始めました。
「…ちょ…それって、エラーが発生してるってことじゃないんですか!?
なんで、今までいってくれなかったんです??」
「ん…。星くん、忙しそうだったから…。
その…もう少し、ヒマになってからでもいいかなって…」
「そんなの、理由にならないですよ!!先輩!!」
星くんの大きな声に、事務所の皆が一斉に振り返りました。
「…ごめんなさい、星くん。あなたのいうとおりだわ…」
泉先輩がシュンとして、うなだれます。
「あ…俺のほうこそ、大きな声を出してすみません。
…その、うまくいかないケースっていうのを、教えてもらえますか?」
少し離れたところから、この様子を眺めていた岬さんが、目を丸くしてつぶやきました。
「…キターーーーーッ!!」