もう完成しちゃった?
翌日、出社した星くんは、まっすぐオーグチさんの席に向かいました。
「おはようございます。小口さん」
「おう!おっはよー星。なんだい?
ひょっとして…もう、生産計画表への取り込みシステムが完成しちゃったのかい?」
朝一だというのに、オーグチさんのトークは絶好調です。
星くんは、軽いイラだちをおぼえました。
「…いえ。完成にはもう少し、時間がかかりそうです。
それより、先日いただいたサンプルデータ、もう少し本番に近いデータを手に入れることはできませんか?」
「本番に近いデータねえ…。
担当者に頼めば、すぐに手に入ると思うけど…。
それを、おまえに渡せばいいのかい?」
「…はい。そうしてもらえると………
あっと、その前に…システムが実際のイメージ通りに動くかどうか、
小口さん自身でデータを取り込んで、確認してもらえませんか?」
星くんは開発中のシステムをオーグチさんのPCにコピーすると、使い方を一通り説明しました。
「…それではよろしくお願いします」
「オッケー!オッケー!…俺にできることなら、なんでも協力するよ。
いやあ…楽しみだなあ!」
オーグチさんは目を輝かせながら、大きくうなずきました。