"決め打ち"の数を減らそう
「配列のインデックス番号の最大値をUBound関数で取得するようにブラッシュアップしたのも、
以前、GetOpenFilenameメソッドでCSVファイルのパスをユーザーが指定できるようすすめたのも、
できるだけ決め打ちを減らしたかったからなんだ」
「GetOpenFilenameメソッドは、これから組み込むよ…。
今日はまだ、とりあえず動くものをもってきただけなんだ…」
星くんはバツがわるそうに、頭をポリポリとかきます。
「…つまりフレキシブルなコードとは、できるだけ"決め打ち"の数を減らし、
マクロが動作する環境から、必要な値を取得するように作られたコード!ということなんだ。
決め打ちの数が減るほど、コードの柔軟性が増す、と理解してもらえばいい」
「…そうか。業務システムは、出来上がったときだけ動けばいいのではなく、
将来にわたって動かし続ける必要があるもんな。
そのためにはできるだけ柔軟性に富んだコードで記述し、修正を最小限に抑えることが重要だってことか…。
よくわかったよ」
星くんの言葉に、八木くんも満足そうにうなずきます。
「ちなみに"決め打ち"のことを専門用語で"ハードコーディング"ともいうよ。
時間のあるときに調べてみるといい。
…ところで、星。今回、取り込みの対象となるCSVのデータ件数って、何件くらいだっけ?」
「…えっと、月の内示数がおよそ3000~5000件くらいだから、データもそのくらいのはずだよ。
それが、どうかしたのかい?」
八木くんの顔が、一瞬くもります。
「…そうか。なら一度、本番のデータを使って取り込みテストをしたほうがいいな…。
それも、できるだけ早く」
「…えっ?…このコード、何か問題があるのかい…?」
八木くんの言葉に、星くんは固まってしまいました。