業務改善レポートを作成しよう
終業のチャイムが鳴り、皆バラバラと帰宅の途につきます。
ガランとした事務所の中にカタカタとキーボードを打つ音が響いていました。
「…あれ?めずらしく泉先輩が残業してるぞ」
星くんは、泉先輩の席に向かいます。
「先輩。残業ですか?」
「うん。岩田部長の指示で総務部に提出する"業務改善レポート"を作成しているの。
いまやってる生産計画管理システムのよ」
星くんは、泉先輩のPCをのぞきこみました。
「ホントだ。…わあ、ありがとうございます。
このシステムでこんなに改善されるんですね。
なんだか、うれしいなあ。
…社長賞、とれるといいですね!」
「ね~~~!なんたって、社長賞の副賞は100万円よ!
みんなで温泉に行けるわね……いや、ホテルの豪華ディナーのほうがいいかな?」
泉先輩がうれしそうにつぶやきます。
星くんは、辺りを見回しました。
事務所の中には自分と先輩しかいません。
ぐっとこぶしを握り締め、彼は意を決したように声を出しました。
「あの!………先輩、俺ずっと前から気になってたことがあるんです。
先輩と…オーグチさんって………その………つ、付き合ってたりするんですか!??」