さあ、どうしようか…
席に戻った星くんは、ハア…と大きくため息をつきました。
「今進めている開発案件は、いったん凍結か…。
ま、それはいいんだが…CSVデータの取り込みね…。
どうしようか…、かなりめんどくさそうだな…」
とりあえず、泉先輩に相談しようと彼女の席に視線をうつします。
しかし席は、もぬけの殻でした。
「あれれ…?先輩がいないぞ…?」
キョロキョロする星くんの背後に、岬さんが通りかかります。
「星さん。だれか探してるんですか?」
「うん、先輩をね…。
あ…そうだ、岬さんにも話しておかなくちゃ…。
営業課の小口さんの案件なんだけど…」
「小口さんって…、あのオーグチさんのことですか?」
岬さんの口からオーグチさんの言葉が出てくるとは、思ってもみなかった星くんは吹きだしてしまいます。
「プッ、よく知ってるね。
…そのオーグチさんから新しい開発案件を頼まれたんだけど…」
説明を続ける星くんを見つめながら、岬さんはなぜか、ニヤリと謎の微笑み浮かべるのでした…。