サンプルデータが来た!
翌日、出社した星くんは、トボトボと泉先輩の席に向かいます。
「先輩。おはようございます…」
「おはよー、星くん。どーしたの?元気ないわね?」
「いえ…大丈夫です。
これ…"オーダー表 追加アイテム確認システム"の最新版です。
不具合を修正しておきましたので、差し替えて使用してください…」
「もー修正しちゃったの!?はやーい!!
こんなことなら、もっと早くお願いすればよかったわ。
星くん、ありがとう」
泉先輩がうれしそうにファイルを受け取ったその瞬間、聞き覚えのある大きな声が聞こえてきました。
「おーーーい!星ー!!サンプルデータをもらってきたぞーーー!」
オーグチさんが、手を振りながらこっちへやってきます。
ヒクッ!オーグチさんの顔を見て、反射的に星くんのほほが引きつりました。
「あら、早かったのね」
「仕事は早く!帰りは遅く!が、ボクのモットーですよ!!」
軽口をたたきながら、オーグチさんがサンプルデータを差し出します。
「…あ、ありがとうございます…。
早速、確認させてもらって…いいですか?」
星くんはオーグチさんからサンプルデータを受け取ると、泉先輩のPCを借りて、メモ帳で開いてみました。