サンプルデータの中身
「…なるほど…。
最初のデータが製品番号で、そのあとの内示1~10が内示のデータですね。
内示データは、"8ケタの日付" + ":(コロン)" + "数量"で、納期と数量を表してるんですね」
ガン!星くんはビックリしました。
もう一度、サンプルデータをよく見直すと、確かに岬さんのいうとおり、
「納期:数量」の書式でデータが作られています。
「(そーやって見ればいいのか…わからなかったよ…。
ならこの、何も入力されていないところは、そもそも"内示が無い"ということなんだな…)」
「これなら、そんなに苦労せずに取り込めるんじゃないですか?星さん?」
岬さんが、クリクリとした目で星くんを見つめます。
昨日のそっけない態度とは、まるで違います。
「…う、うん。なんとかなりそうかな。多分…」
「さっすがぁ!星!!頼りにしてるぞ、このVBAの天才!!」
オーグチさんが、バーンと星くんの背中をたたきます。
星くんの体が、ヨロヨロッとよろめきました。
「まかせてくださいよ!星さんには天才アシスタントの、このあたしがついてますから!」
泉先輩と星くんも、つられて笑い出します。
しかし二人とも、その目は笑っていませんでした。