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やってみよう!Excel VBAで業務改善! 次なるイノベーション編|第19話 「新しい開発案件」

ホット1つ

「えっと、じゃあホット1つ」 八木くんの向かいの席に腰を下ろした星くんは、オーダーを取りに来た店員にそう告げました。

「久しぶりだろ、ここ。
学生時代は、二人でよく来たよな」
「全然…かわってないな。
あの頃のまんまだ」
二人は今、駅前の喫茶店にいます。
星くんは、懐かしそうに店内をぐるりと見回しました。

「先週の話、考えてくれたかい?」 星くんは一瞬、今朝見た夢の続きを見ているような錯覚に襲われました。

「…二人で一緒に、ベンチャーをやらないかって話かい?」 「うん。前にも話したけど、俺の夢を実現するにはベンチャーを起業するのが、最適だと思う。
ただ、俺一人ではやれることに限界があるから、一緒に夢を追っかけてくれるパートナーがほしいんだ」
店員がホットコーヒーを運んできます。
星くんは、コーヒーカップに視線を移しました。

「…正直、まだなんとも返事ができないよ。
今やってる仕事を、ほっぽり出すこともできないし…。
でも、なぜ"俺"なんだい?
昔からの親友だからかい?」
八木くんはため息をつくと、大きくかぶりを振りました。

「無論、それもあるよ。
でも星、お前はお前が考えている以上に、"価値のある"人間なんだぜ。
…VBAのプログラムが組める人間なんて、数え切れないほどいるよ。
でも、業務に精通している人間となると、その数は限られてくる。
ましてやプログラミングのセンスをあわせ持つ人間なんて、ほんの一握りだ」
「俺にそれだけの価値があるって、本当にそう思うのかい?」 八木くんは姿勢を正すと、星くんの目をまっすぐに見つめながら答えます。

「もちろんだとも。
……逆に尋ねたいんだが…、
今の会社は、お前のスキルにふさわしい正当な"評価"と"待遇"を、
お前に与えていると本当に思うかい?」
彼の問いかけに、星くんは困ったような顔をして、黙り込んでしまいました。

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