休みにしたいそうです
「勉強会を休みにしたいってめずらしいな……
あいつ、何か始めたのかな?」
星くんは八木くんからのメールを見つめながら、軽く首をかしげました。
その日の定時、星くんは泉先輩と岬さんに、声をかけます。
「先輩、岬さん。
ちょっといいですか…?
八木からメールがあって、忙しいので2~3週ほど勉強会を休みにしたいそうです…」
泉先輩と岬さんは、顔を見合わせました。
「なになに?忙しいって?
……ひょっとして八木っち、彼女ができた?」
泉先輩が目をキラキラさせながら、そう言います。
「…いやあ~~~それは無いと思いますけどぉ…」
岬さんはひきつった笑みを浮かべながら、なぜか自信たっぷりにそう返します。
「うーーん。
俺も理由は、よくわかんないんですよ。
あいつが忙しいって………」
星くんはハッと、何かに気づいた顔をします。
「何か、思い当たる節があるの?」
「…い、いえいえ。
………そういうわけでしばらくの間、勉強会はお休みになります。
また八木から連絡があったら報告します。
すみません」
星くんは二人にそう告げると、ペコリと頭を下げて、自分の席に戻っていきました。
「(ひょっとして、こないだの一件が絡んでるのかな…?
だとしたら、そのことを話すわけにはいかないし…。
俺から八木に確認するのも……なんだかな…)」
彼は暗い表情を浮かべると、おもむろに帰り支度を始めました。