いったいどうなってんだ？

「う～～む……」 あごの下に手を添えながら、オーグチさんはあっけにとられた表情で、画面を見つめていました。

「（いったいどうなってんだ？
彼女、PCのスキルは俺とたいして変わらないはずなのに……
なんで、こんなことができるんだ？）」 画面から目を離すと、オーグチさんは横目でジロリと泉先輩を眺めます。

「（星や岬さんだけが、特別なスキルを持ってるんじゃないのか？
……ブイビーエーってのは学べば誰でも、ある程度の開発ができちゃうシロモノってことなのか？
…例えば、俺でも……？？）」 「もう、なによ。黙りこくっちゃって。
……それでオッケーなら、担当者に最新版を配布しておくけど？
あ…もちろん、今日じゃなくて明日ね」 「ああ、オッケーだよ…そうしてくれ。
この手のリストを使いたいブックは、他にもたくさんあるから…。
水平展開については、また後日打ち合わせよう」 オーグチさんが答えたちょうどそのとき、定時を告げるチャイムが、事務所の中に響き渡りました。