もの思いにふける部長
「うんうん!そのとおりね、八木っち!」
目をキラキラと輝かせ、ウンウンとうなずく泉先輩を見つめながら、
星くんが"ぐぬぬ…"と歯ぎしりをします。
ちょうどその頃、ガランとした事務所の中で岩田部長が一人、もの思いにふけっていました。
「星たちがそろっていないということは、今日は例の勉強会の日か…。
星のやつ…"VBAの達人"に、あれからもちゃんと入社を打診してるんだろうな…?」
部長は机の上の茶碗を手に取ると、冷めたお茶を一気に飲み干しました。
「システム企画室か…。
オーグチめ、自分が室長の椅子に座りたいのだろう…?
まあ、彼なら適任だと思うが…、若と飲んだぐらいでそう簡単に行くか!
………いざとなったら、伝家の宝刀を抜かねば…ならんかな…」
空になった茶碗を見つめながら、部長は静かにそうつぶやきました。