新人の森川くんだ
「お、みんなそろっているな。
ちょうどいい、…紹介しよう。
業務改善部隊に加わる、新人の森川くんだ。
大学では情報学を専攻してるから、プログラミングには詳しいぞ。
ウチの大きな戦力になってくれるはずだ。
みんな、しっかりと面倒をみてやってほしい」
岩田部長に促され、新人の男子が一歩前に出ます。
「も、森川です。
み、みなさん、よろしくお願いしますっス!」
「じゃあ星。あとは頼んだぞ。…あ、それと。
いずれ彼にも例の試験を受けてもらう、VBAの教育も、しっかりと頼んだぞ」
そう伝えると、岩田部長は忙しそうに事務所を後にしました。
「…え、あ。ちょっと!部長!
……行っちゃったか…。
まあいいや、森川くんだっけ?
業務部の業務課に配属になるんだよね?
業務改善部隊っていうのは、正式な部署名じゃなくて、ここにいる、俺と泉さん、岬さん、
あとオーグチ主任と岩田部長、……江口さんはちがうんだっけ?
…で構成される業務改善が主体のプロジェクトチームだよ。
俺は一応リーダーをやってる、星というんだ。よろしくな」
「…オーグチさん、この春から課長っスよ」
江口さんが、なぜかすねたような口調でそう言います。
「え!?マジで!
…オーグチさん、スピード出世じゃないか!」
星くんが、のけぞり気味に驚きます。
「…あのお。いったい自分は、ここで何をやればいいんっスかね?」
森川くんが、モジモジしながら尋ねます。
星くんは、腕を組んでウーンと考えました。