またいつでも聞いてください
「八木っち、ありがとう。
おかげで、自信を持って開発を進められそう。
助かったわ!」
「いえいえ。また、いつでも聞いてください」
星くんたちは荷物を片付けると、おいとまするために玄関に向かいます。
「あ、星。
明日の土曜だけど、なんか予定入ってるかい?」
「明日かい?…特に予定はないよ」
八木くんの眉がピクンと動きます。
「そうか。じゃあ、ちょっとつきあってくれるかい?
……後から電話するよ」
帰り際の星くんに、八木くんがそっと伝えました。
「おはようございますっス!」
月曜日になりました。
元気いっぱいで出社した森川くんの、大きな声が響きます。
「森川くん、おはよう。
あ…、星さん。おはようございます」
森川くんに続けて入ってきた星くんに、岬さんが挨拶をします。
「ん…、岬さん。おはよう…」
心なしか、星くんに元気がないようです。
「星くん、おはよー!
金曜はありがとね!助かったわ~」
続けて入ってきた泉先輩が、星くんの肩をポンと叩きます。
「あ…、先輩。
はい、おはようございます…」
「…どしたの、星くん。
朝から元気無いわね?」
力なく挨拶を返す星くんを、泉先輩が覗きこみます。