いったい、どーなってんのよ!?
「……ピンポーン。その通りです」 岬さんが力なくF5キーを押すと、イミディエイトウィンドウにAの文字列が出力されました。
「(もう!…いったい、どーなってんのよこの子!?
こっちが説明した事を、アッという間に理解しちゃうじゃない!)」
岬さんはボー然とした顔で、森川くんを見つめます。
「…あのぉ。これって多次元配列のときも、好きなように配列の要素数を変更できるんっスかね?」
「た…多次元配列…」
岬さんの前髪がハラリと垂れて、彼女の汗ばんだ額にくっつきました。
「…そ、そのときは、変更できるのは配列の最後の次元のみです。
3次元の配列なら、3次元目の要素だけを変更できます。
なお……次元数そのものを変更することはできません」
「なるほど。わかりました!
先輩の解説は、すっごくわかりやすいっス。
ありがとうございます!」
「(もうやだ…!!この子……いったい何なのよ!?)」
瞳を輝かせながら答える森川くんを横目に、
岬さんはゲッソリしながら、心の中でそうつぶやくのでした。