ま、あんたもがんばりなさい
泉先輩が星くんの肩をポンと叩きます。
「すごいらしいわよ、彼?
…ま、あんたもがんばりなさいよ」
そういうと、泉先輩は自分の席に戻っていきました。
「…もう、動的配列まで進みました。
基礎的なプログラミングの知識があるおかげで、理解するスピードがものすっごく速いです、彼」
岬さんは、森川くんに指導した内容について、星くんに説明しました。
「マジで!?もう、そんなところまで進んでるのかい!!??
……でも、森川くんの理解が速いのは、基本的な知識が応用できる部分であって、
Excel VBA特有の部分については、あくまで初心者なんだろう?
そこのトコロを、もっと丁寧に教えてやってもらえるかい?」
岬さんはハッとした顔で、うなずきます。
「確かにそうですね!
セルに値を入力するような、初歩的な事も知らなかったワケですし……。
わかりました。VBAならではの知識について、もっと時間を割くようにします!」
「おーーーい、星。ちょっとこっちに来てくれ~」
オーグチさんが大声で、向こうの席から声をかけます。
「はーーい。今、行きまーす。
…じゃあ岬さん。よろしく頼んだよ」
そう言うと星くんは、オーグチさんの方に向かって小走りに駆け出しました。