いざとなったら…
「おいおいおいおい!…彼女で大丈夫なのか?星!」
オーグチさんが、あわてた様子で確認します。
「失礼ね…。
あなたと違って、こちとらスタンダードの資格を持ってるんですけどぉ~?」
「だ、大丈夫ですよ。
いざとなったら、俺も一緒に作りますから」
星くんが、なだめるように二人の間に割って入ります。
「…そうかい?わかったよ。
じゃあ二人とも、よろしく頼んだよ」
オーグチさんは、肩をすくめながら承諾しました。
「岬先輩!机の片づけも終わったっス!
…そろそろ、続きを始めませんか!?」
元気いっぱいの森川くんが、お疲れ気味の岬さんのところにやってきました。
「そう?早かったわね……。
じゃあ、続きを始めましょーか」
岬さんは、今度はテキストを使って、制御構文についてざっくりと解説していきます。
「Ifステートメントと、Select…Caseステートメントは、条件分岐を、
For…Nextステートメントと、Do…Loopステートメントは、繰り返し処理を行います。
このあたりどう?パッと見、理解できる?」
森川くんはテキストを眺めながら、大きくうなずきます。
「はい。似たような制御構文を、大学の授業でやりました。
…文法が少し違うみたいですが、慣れればどうってことないっス」
岬さんは一旦テキストを置き、森川くんの方を向いて目を合わせます。
「……ところで森川くん。
ここまで学習してみて、どう?
VBAに関して、どんな感想をもった?」
「感想っスか?そうですねえ……プログラミング言語としては単純というか……
はっきり言って、チョロいって感じっス」
「チョロい……?…………!!??」
岬さんは額に青筋を立て、ギロリとした目で森川くんを睨みました。