社長の反応は…?
「社長の反応は、どうだったんです?」
会議室のドアを閉めると、矢継ぎ早にオーグチさんが尋ねます。
「……結論から言うと、"時期尚早だろう"ということでした。
まだ、十分な成果を出していない現状で、
会社組織を大きく変更することは一筋縄ではいかないと言ってます」
若は嘆息しながら、会議室のホワイトボードに視線を向けました。
「(十分な成果を出すために、独立した部署が必要だと言ってるのに…
なんで伝わらないんだろな…)
そうですかあ…厳しい感じですか…」
「"業務改善グループ"のような形で、業務部内に部門を新設したらどうか…というのが、
社長の考えみたいですね」
「はあ、業務改善グループですか……それだと、今とあまり代わり映えしないですな。
電算室との兼ね合いも解消しないわけですし…」
「…………」
若は困ったような顔をして、無言でオーグチさん見つめます。
「(まあ、こんなもんだろうと思ってたけど……やっぱりこの会社は変わらないなあ。
……さて、岩田さんにどう報告したもんか…)」
オーグチさんはへの字に口を結ぶと、伏し目がちに大きなため息をつきました。