質問してあげましょうか?
「あらそう…?
じゃあ私が朝から晩まで、イヤというほど質問してあげましょうか?」
星くんの顔をジッと見つめながら、泉先輩がいたずらっぽく笑います。
「えっと……。あの……。その…………」
星くんは真っ赤になりながら、手元の書類に視線を移しました。
定時まであと少しになりました。
星くんは軽く背伸びをすると、開発途中のブックを上書き保存します。
「(今日一日で、大分進んだな。たまには残業しないで帰るか…)」
上着のポケットに入れたスマホが、"ブーッ、ブーッ"と、振動します。
星くんはスマホを取り出すと、ロックを外してメールを確認しました。
星。すまないけど、2~3週ほど勉強会を休みにしてくれるかい?
今、いろいろとすごく忙しいんだ。
八木
「八木からだ…。
勉強会を休みにしたいってめずらしいな……あいつ、何か始めたのかな?」
星くんはスマホの画面を見つめながら、軽く首をかしげました。