日取りが決まったぞ
もう少しで定時を迎える頃、資料室へと続く長い廊下で、岩田部長と米谷顧問がばったり鉢合わせしました。
「おお、岩田くん。
梶田くんとの例の打ち合わせだが、日取りが決まったぞ。
来週月曜日、17時からでどうだ?」
「来週月曜日の17時ですね、承知しました。
……お骨折りくださって、ありがとうございます。
…しかし顧問、あの梶田部長がよく承諾しましたな」
「ふん。初めは渋ってなかなか首を縦に振らんかったが、
岩田くんから画期的な提案があるといって、ようやく聞き入れさせたわい。
……こっから先は、おまえさんの腕の見せ所じゃ。
しっかりやるんじゃぞ」
米谷顧問は、ニンマリと笑みを浮かべながら、岩田部長の肩をポンと叩きます。
「ありがとうございます。
…梶田部長を説得する名台詞の数々、しっかりと準備しておきますよ」
岩田部長はメガネをくいっと上げ、ニヤリと笑いました。