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やってみよう!Excel VBAで業務改善! 次なるイノベーション編|第31話 「月曜日の17時」

電算室の重要性

星くんは、暗い顔をしてうつむきます。

「(ホントに、このままでいいんだろうか…?
部長に相談すべきじゃないのかな……)」

彼はキーボードを打つ手を止め、小さなため息をつきました。



「VBAによる開発を促進することで、ますます電算室の重要性が増すというのが、私の見解です」

「ほう。それは、いったい?」

梶田部長は身を乗り出しながら、問いただします。
話し合いは、佳境を迎えつつありました。

「基幹システムで蓄積した業務データは、会社の宝そのものです。
ただCOBOLでは、それを有効活用するには費用対効果が悪すぎる……。
代わりに安価なVBAで開発を行えば、高いコストパフォーマンスで、
システムをタイムリーに提供できる……というわけです」

「なるほど…メーカーが直販するより、ノウハウのある代理店が販売するほうが効率がいい……
というのに似てますな」

岩田部長が大きく首を縦に振ります。

「おっしゃるとおりです。
電算室は、会社の要である基幹システムとハードウェアをしっかりと保守していただき、
スポット的な開発は、システム企画室に一任していただく。
両者は敵対するものではなく、互恵的なパートナーの関係です」

梶田部長は手をあごに添え、しばらく何かを考えていましたが、

「岩田さん。
どうやら私は…あなたのことを誤解していたようだ…」

そう言うと、岩田部長に向かって手を差し出しました。

「…我々が手を携えることが会社のためになるのなら、一も二もありません。
電算室は全面的に、システム企画室を応援しますよ」

岩田部長は微笑みながら、差し出された手をがっしりと握ります。
背後から二人を見つめていた米谷顧問は、小さな目をさらに細め、ウンウンとうなずくのでした。

第32話「イノベーションを起こそう!」に続きます

文・イラスト / 武藤 玄
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