オーグチさんが、適当な検索ワードを入れて検索します。
画面はチラつくこと無く、一瞬で検索が終了しました。
「おー!いいじゃないか!これで配布してくれよ。
森川……おまえホントに、たいしたやつだな!」
森川くんの顔は、もう真っ赤です。
「(VBAでこんなに喜んでもらえるなんて…こんなこと…想像したこともなかったな…)」
そのとき、森川くんを祝福するかのように、爽やかな初夏の風が、事務所の中を駆け抜けていきました。
「じゃあ早速、配布の準備を頼むよ」
オーグチさんは星くんたちにそう告げると、いそいそと事務所を出ていきます。
「よかったわね、森川くん。オーグチさん、大絶賛よ!」
「心臓の音が聞こえるかと思うくらい、緊張したっス」
岬さんの言葉に、森川くんが汗を拭いながら答えます。