ほぼ満員の通勤電車
朝、ほぼ満員の通勤電車に揺られながら、森川くんは大きなあくびをします。
「ふあ~~~っ。
結局あの後、あのまま寝ちゃったんだな。
変な寝方したから、まだ少し眠いや」
彼はポケットから、眠気覚ましのペパーミントガムを取り出しました。
「(二日目から眠そうにしてたら、岬先輩にやる気のないやつ…って、思われちゃうかもな)」
彼はガムを口に放り込み、クチャクチャと噛みます。
ペパーミントの強い刺激が、彼の鼻腔を突き抜けていきました。
「先輩、おはようございますっス!」
森川くんが岬さんに、元気いっぱいの挨拶をします。
彼女もニッコリと微笑んで、挨拶を返しました。
「おはよう、森川くん。
キミは、いっつも元気なのね」