明日の土曜だけど…
「…我々が作ったシステムをパッケージ化して、販売すればいいんじゃないか?」
岩田部長は、突然ひらめいたアイデアに満更でもない顔をします。
ちょうどその頃八木くんの部屋では、勉強会を終えた星くんたちが、いそいそと帰り支度を始めています。
「八木っち、ありがとう。
おかげで、自信を持って開発を進められそう。
助かったわ!」
「いえいえ。
また、いつでも聞いてください」
八木くんはおもむろに星くんに近づくと、ボソボソと耳打ちします。
「星。明日の土曜だけど、なんか予定入ってるかい?」
「明日かい?
…特に予定はないよ」
「そうか。じゃあ、ちょっとつきあってくれるかい?
……後から電話するよ」
彼は、帰り際の星くんにそう伝えました。
土曜日になりました。
昨日、勉強会の後に八木くんから電話をもらった星くんは、一緒にランチをするため、
彼のマンションそばのパスタ屋に来ています。
「俺、ペペロンチーノにしようかな」
「じゃあ俺は、ゴルゴンゾーラのパスタにするか」
星くんと八木くんは、メニューを見ながら店員にオーダーを伝えます。