八木くんからのメール
定時になりました。
星くんは泉先輩と岬さんに、声をかけます。
「ちょっといいですか…?
八木からメールがあって、忙しいので2~3週ほど勉強会を休みにしたいそうです…」
「なになに?忙しいって?
……ひょっとして八木っち、彼女ができた?」
泉先輩が目をキラキラさせながら、そう言います。
「…いやあ~~~それは無いと思いますけどぉ……
そういうわけでしばらくの間、勉強会はお休みになります。
また八木から連絡があったら報告します」
星くんは二人にそう告げると、おもむろに帰り支度を始めました。
金曜日になりました。
昼休み、会社近くのファーストフード店で昼食を終えた岬さんは、
食後のアイスコーヒーを楽しんでいます。
「森川くん、がんばってるなー。
テキストの勉強も、だいぶ進んでるみたいだし…。
来月あたり、ベーシックの試験を受けさせてみようかしら…」
先ほどまで、ごった返していた店内も、徐々に客足がまばらになってきました。