マンションそばのパスタ屋さん
「なんだい、あらたまって話したいことって」
星くんがおしぼりで汗をぬぐいながら、八木くんに尋ねます。
「……前に話したよな。
ネットショップの売上で、ベンチャーを始めるための資金作りをやってるって」
「ああ、覚えているよ」
「こないだネットバンキングの口座残高が、目標額を突破したんだ。
…だから俺も、そろそろ次のステップに進むことを考えてる……」
「すごいじゃないか!八木、おめでとう!」
星くんが、身を乗り出して喜びます。
八木くんは、照れた様子で水を口に運びました。
「…それでだな……単刀直入に言う。
星、今の会社をやめて、俺と一緒にベンチャーをやらないかい?」
「ペペロンチーノとゴルゴンゾーラのパスタ、お待たせしました!」
八木くんの言葉が終わるやいなや、できたてのパスタが、二人のテーブルに運ばれてきました。
「ふんふん、なるほど。マクロの最小実行単位をプロシージャと呼ぶのか。
プロシージャにも、いろんな種類があるんだな…」
お昼ごはんのカップ焼きそばを食べながら、森川くんはテキストの第3章を読んでいます。