どういう人物なんだ?
「そのとおりよ。やるじゃない」
岬さんがニンマリと笑います。
森川くんはパッと頬を赤らめて、目線をそらしました。
めずらしく外出しないで事務所に残っていた岩田部長は、岬さんと森川くんの様子を眺めています。
「(森川の新人教育…、順調にいってるみたいだな。
岬くんは、新人の教育係にうってつけだな。
……それにしても、今朝の星の様子は、なんかおかしかったな…)」
岩田部長は湯呑を手に取ると、ぬるくなったお茶をゴクゴクと飲み干します。
「(金曜日の勉強会で、VBAの達人と何かあったのか?
……学生時代からの友人らしいが、そもそも"VBAの達人"は、いったいどういう人物なんだ?
…なんで、入社依頼をそんなに拒むんだ?
……まさか…、自分で何か、ビジネスでも始めるつもりなのか……??)」
空になった湯呑を見つめる岩田部長の脳裏に、様々な空想がよぎるのでした。