チームで開発をするときは…
「なるほど…。
チームで開発をするときは、可読性にまで気をつかうことが大事なんですね」
「独りよがりのVBAは、みっともないわ。
業務開発は、"知識自慢"や"腕試し大会"じゃないもの。
可読性の高いコードは、結局は作った本人も助けるのよ」
「"3日たてば他人のコード"って、ヤツですか?」
「あら、よく知ってるわね」
岬さんと森川くんが、顔を見合わせて笑います。
資料室へと続く、長い廊下で、オーグチさんと若が顔を合わせます。
「お、若!おはようございます。
今日もバシッと決まっておりますなあ!」
「もう、オーグチさん。そろそろ若は、カンベンしてくださいよ………
と、こないだ話のあった飲み会、今週の金曜日でいかがです?」
若は、先日オーグチさんから提案された飲み会の件を、ちゃんと覚えていたようです。
「(ゲッ!金曜って明後日じゃん…。岩田さんや星の都合、大丈夫かな……)
金曜の夜ですか…、いいですねえ。……メンバーは若と岩田部長、私と星の4人でいいですか?」
「せっかくだから、大勢の方がいいでしょ。
業務改善部隊のメンバー、全員でいかがです?」
屈託なく話す若に、オーグチさんは笑顏をひきつらせます。
「う~~~ん。入りたての子もいるので、話について来れるかどうか…。
できるだけ、若の意向に沿うよう調整してみます。
それでよろしいですか?」
若から了承を取り付けると、オーグチさんは、いそいで岩田部長のもとに報告に向かいます。