「うん。それは適用範囲(スコープ)といって、少し難しい概念になるんだ。
詳しく説明すると、一晩かかっちゃうから、とりあえずこの図のように覚えておくといい。
ちなみに標準プロシージャは、"Subプロシージャ"と"Functionプロシージャ"の2つに分かれる。
今まで使ってきたのは、すべてSubプロシージャだ。
Functionプロシージャについては、必要になったとき教えるよ。
あとオブジェクトに属さないモジュールには、もう1つ"クラスモジュール"という特殊なモジュールもある。
これも、必要になったときにまた教えるよ」
「…今日はこれで、もう終わりかい?」
星くんが、目をキョロキョロさせながら、八木くんにたずねます。
「なにいってんだ星。さっき、腹ごしらえをすませたばかりだろ。
やっとイベントプロシージャについて理解したんだ。
今からこれを使って、ユーザーフォームの使い方を簡単に説明してやろう」
「うっうっうっ…あ、ありがとな…八木」
うれし涙とも悲し涙ともつかぬ涙で目をウルウルさせながら、星くんがうなずきます。
「…といいたいところだが、今夜はいささかつかれた…。
おまえの部長は2~3日の間に返答してくれといったんだろ?
とりあえず今夜はここまでにして、明日以降また対策を練ることにしよう」
こうして星くんの"はじめてのVBAプログラム作成日"は、その長い一日を終えたのでした。