会議室に呼び出された星くんは、泉先輩、岬さんの3人で、業務改善プロジェクトを進めるよう、岩田部長に告げられました。
「(え?えええっ???いったい何が、どうなってんだよ~~~!!?)」
星くんは目の前で起きている状況が把握できず、ただひたすら目を白黒させています。
頭が真っ白になっている星くんをよそに、岩田部長が説明を続けます。
「それじゃあ…まず泉くんのほうで、部内の業務で特に手間のかかっているもの、
つまり改善効果の高そうな業務を数件ピックアップしてくれたまえ。
星は、それをもとにVBA化する優先順位、スケジュールを作成するように。
岬くんは開発が始まったら星のアシストを、それ以外のときは泉くんの業務を手伝うようにしてくれ」
泉先輩と岬さんがコクリとうなずきます。
「本プロジェクトの始動は来週、岬くんが正式にウチの部に異動となってからスタートする。
泉くんと星は、前もって準備を進めておいてくれ。
あ、それと星。週1回、プロジェクトの進捗状況を俺に報告するんだぞ。いいな?」
星くんはハッと顔をあげました。
「(しまった…途中から部長の話をあんまり聞いてなかったぞ…)」
「では早速、取りかかってくれ。以上だ」
会議室からの帰り道、トボトボ歩く星くんとは対照的に、岬さんはウキウキしているようにみえます。
「泉さん、星さん。来週からどうぞよろしくお願いします!」
「あ、ああ…うん。こちらこそよろしくお願いするよ…」
岬さんは、ションボリしている星くんに顔を近づけると、
「星さん。私、VBAにすっごい興味があるんです。今度くわしく教えてくださいね!」
そういって、総務部のほうに戻っていきました。