「へい!らっしゃーい!」
ガラガラとラーメン屋のドアを開けると、店主の威勢のいい声が響き渡りました。
「うまいんだよ、ここのラーメン屋」
そういうと八木くんは、カウンター席に星くんと並んで座りました。
「あ、俺ニンニクラーメン大盛りで。星、おまえ何にする?」
「そーだな…じゃあ、ネギラーメンひとつ」
「ニンニク大盛りと、ネギラー一丁、ありがとーございます!」
再び、店主の大きな声が店内に響き渡りました。
「さっきいってた、"もうひとつ考えなくちゃいけないもの"って、なんなんだい?」
おしぼりで顔を拭きながら星くんがたずねます。
「うん。業務システムのユーザーインターフェイスの場合、実はメニュー画面なんかは、
そんなに凝らなくてもいいんだ。シンプルなほうが、わかりやすいしね…。
業務システムでユーザーが一番多く操作するもの…それはなんといっても…」
「へい!お待ち!ニンニク大盛りとネギラー一丁!」
カウンターにドンとラーメンが置かれました。
「お!きたきた…!この続きは、俺の部屋でしよう。はやくしないとラーメンがのびてしまう」
八木くんは、ニンニクがてんこ盛りになったラーメンをズルズルとすすり始めました。
星くんも、ネギがてんこ盛りになったラーメンをズルズルとすすります。
「うまい!」
「だろう?ここのラーメンは、絶品なんだよ」
二人は、夢中になってラーメンを食べ続けました。
「あー、食った食った」
マンションに戻った二人は、ほけーとした顔で、おなかを押さえています。
「ホントうまいね、あのラーメン屋。いい店を教えてくれてありがとう」
「いいって、いいって…あっと、まだ説明の途中だったっけ。
そうそう、業務システムでユーザーが最もよく操作するもの…
それはなんといっても、ユーザーフォームだよ」