「え?えええっ??俺がプログラムを作るのかい…!!??」
星くんが目をまんまるに見開いて叫びます。
「そーだよ。あたりまえじゃないか。
まさか俺がおまえの会社に行って、プログラムを作るわけにはいかないだろう?」
八木くんは、こともなげに答えました。
「そ、そりゃあ…そうだけど…」
自信なくつぶやく星くんに、八木くんはめずらしく真剣な口調で語り始めました。
「いいかい、星。今から話すことは、すごく重要なことだからよく聞くんだ。
この瞬間、世界中でたくさんの人間がVBAを勉強している。
でも本当にVBAを使いこなすことができるようになる人は、ほんの一握りだ。
なぜなら多くの人は、VBAを"勉強"するだけで終わってしまう。
本当に大切なのは、学習したVBAの知識をプログラミングで"活かせる"ことなんだ。
だれかの作ったプログラムをコピーして使うだけじゃダメなんだよ。
自分で作り上げるスキルを身につけるんだ!
これは必ず乗り越えなければならない、試練のひとつなんだよ!」
八木くんは星くんの肩に手を置き、ひとつひとつ言い聞かせるように説明します。
「…う、うん。わかるんだけど…でも、どうやればいいのかチンプンカンプンだよ」
「大丈夫、今からプログラミングのステップをひとつひとつ教えてやる。おまえなら必ず作れるさ」
八木くんは自信に満ちた目で、そう断言しました。
「まず最初に、プログラムでやりたい処理を文章に書いてみよう。星、おまえが話した例の"大失敗"。
プログラムに、どんな処理をさせればいいんだい?日本語で文章に書いてみろ」
八木くんが、紙と鉛筆を星くんに手渡します。
「そうだなあ…」
星くんはプログラムで行いたい処理を、カリカリと紙に書き始めました。