「ずっる~~~い!!!
開発が始まったら、アシストさせてくれるって話だったのに…
全部自分で作っちゃったんですか~~~!?」
大きな声に星くんが後ろを振り返ると、岬さんが腕を組んでにらんでいます。
「んん…!ああ、岬さんゴメン。そんなつもりじゃなかったんだけど…」
プンプンとふくれる岬さんをなだめながら、星くんはあることを思い出しました。
「あ!そうだ…岬さん。
印刷の処理がまだなんだよ…えーとね…、
Callステートメントで呼び出したら、印刷するかどうかたずねてきて、[はい]を選択したら印刷する。
[いいえ]を選択したらなにもしない。
そんなSubプロシージャを明日までに作ってきてくれないかな?」
岬さんが口をとがらせます。
「え~~~!?たった、それだけですかあ~??
…まあいいです。明日までに作ってくればいいんですね?」
まだ少しプリプリしながらも、岬さんは納得した様子で仕事に戻っていきました。
そんな彼女を見送りながら、星くんはホッと胸をなでおろします。
「八木!できたよ~!!」
この日の帰り、八木くんのマンションを訪れた星くんは、部屋に入るやいなや叫びました。
「ほう…。それじゃあ、早速見せてもらおうか」
もう八木くんも、いちいち驚いたりしません。
まるで星くんが、そう告げるのを知っていたかのようです。
八木くんは、VBEの画面をのぞきこみました。
「いいじゃないか!星!バッチリだ。
Callステートメントで呼び出す場所も適切だし、プロシージャ名をわかりやすく変更したのもグッドだ。
…ん?この、"'ブックを閉じる前に印刷するか確認する"のコメントはなんだい?」