「おーい八木。今、大丈夫か?」
「なんだ星か。ヒマだからあがっていけよ」
「それ、なにやってんの?」
星くんは八木くんのPC画面を見てたずねます。
「ああ、これ?実は最近、インターネットのショッピングサイトを始めたんだ」
「ショッピングサイト? 八木が経営してるの?」
「うん。これでも結構、売れてるんだぜ。おまえのサラリーより儲かってるかもな」
そういって八木くんは笑います。
「すごいな…これ、商品は何アイテムくらい売ってるの?」
「うーん、5000アイテムは軽く超えてるかな」
「そんなにたくさんの商品のWebページをひとりで作ってるの?大変じゃない?」
「いやーアイテムはExcelに一覧表があって、あとはVBAを使ってHTML形式のファイルを
自動作成するだけだから、簡単なもんだよ」
"VBA"、星くんはその言葉にピクリと反応しました。
「VBAってホームページも作れちゃうのかい?」
「ああ、できるよ」
八木くんはそういって、見慣れない画面を見せてくれました。
「なんだいこれ?Excelにこんな画面あったっけ?」
「これはVBE(Visual Basic Editor)といって、VBAのプログラムを書くアプリケーションさ。
普段は勝手に出ないよ」
そういって八木くんは[Alt]+[F11]キーを何度か押しました。
「ほら、こうやるとExcelとVBEの画面が切り替わるだろ?
他にもVBEを表示する方法はいっぱいあるけど、VBAを使わない人には用のない画面さ」
「ほ、他にもVBAってなにかできるの?」
「もちろんさ。ワークシートや図形を編集したり、関数で行えない複雑な計算をしたり、
他のファイルやアプリケーションを操作したり、独自のユーザーフォームを作ったり…あ、そうだ。
Excelで麻雀ゲームを作ってる変わった人もいたっけ…」
「Excelで麻雀ゲーム!?」
星くんは、頭がクラクラしてきました。
そりゃ麻雀ゲームが作れるのなら、業務に使うアプリケーションをVBAで作るくらい簡単だと思いました。