試験結果の報告

翌日、星くんの満点合格のニュースは、またたく間に会社中に広まりました。

星くんは試験結果の報告をするために、朝一で岩田部長の席に向かいます。

「そうか…満点で合格か。
すごいじゃないか、星。
…まあその分、前回いかにサボッていたか浮き彫りになったわけだが………それはまあいい。
この調子でスタンダードもがんばってほしい。
期待しているぞ」 「はい。スタンダードの試験もがんばります！」 星くんはタハハ…と頭をかきながらも、しっかりした口調で答えます。

席に戻った星くんのもとに、岬さんがやってきました。

「星さん、ベーシック合格おめでとうございます。
満点で合格なんてすごいですね！」 「ありがとう岬さん。
岬さんや八木が、いろいろと教えてくれたおかげだよ」 岬さんがイヤイヤと、照れた感じで笑います。
向こうからオーグチさんがやってきました。

「おー星。満点で合格したんだって？
…ホラな、俺が言った通り、前回は調子が悪かっただけなんだよ。
本調子なら、おまえが受からないはずないさ」 オーグチさんは星くんの肩をバシーンとたたきます。

「いてて…。あ、ありがとうございます」 星くんは肩をさすりながら、チラッと横目で泉先輩を見ます。
彼女は忙しそうに作業をしていて、こちらに来る気配はありません。

「話は変わるけど…、前に頼んだ見積もりシステムの修正依頼。
あれ、どうなった？」 「あ」 星くんがしまったという顔をします。
試験の準備でバタバタして、オーグチさんの依頼をすっかり忘れてました。

「…すみません。
もう少し、待ってもらえますか？」 オーグチさんが、眉毛をハの字に曲げます。