微妙な空気
「星くん。今日も八木なんちゃらくんの所で勉強会をするんでしょ?
……その、私も勉強会に参加しても……イイかしら?」
「…へ…勉強会?先輩もですか?
……え、ええええ~~~~~!!??」
予想もしなかった言葉に、星くんはひっくり返りそうになりました。
「何よ!そんなに驚かなくてもいいじゃない」
「い、いえ…すみません。
もちろん、大歓迎です」
星くんは、泉先輩に待ち合わせの場所を伝えると、いそいそと帰り支度を始めました。
「………………」
八木くんのマンションに向かう間、3人に微妙な空気が流れます。
「(泉さん……なんで急に参加する気になったのかしら?)」
チラチラと泉先輩を眺めながら、岬さんが心の中でつぶやきました。
マンションに着くと、星くんが八木くんの部屋のチャイムを鳴らします。
「はい。はい。はい。
お待ちしておりました…よっと……へ?」
八木くんはドアを開けると、いつもと違う顔ぶれに一瞬固まりました。
「……星。こちらの方は…、どなた?」
「ウチの会社の先輩で泉さんだよ。
勉強会に参加させてほしいんだけど…いいかな?」
泉先輩が一歩前に出て挨拶します。
「泉と申します。いつも二人が大変お世話になっております」
「え。こ、こちらこそ、お世話になっております…。
ま、まあ、こんなとこではなんですんで…中にどうぞ」
八木くんが3人を部屋の中に招き入れます。