試験…どうだった?
翌日、星くんはそわそわしながら、岬さんが来るのを待ち構えています。
「…岬さん、試験どうだったかな?
おとといの勉強会の中止が影響してなければ、いいんだけど…」
「おはようございまーす…」
岬さんが、事務所のドアを開けて入ってきました。
心なしか、少し沈んでいるようです。
「お、おはよう!岬さん。
…ス、スタンダードの試験…どうだった…?」
「……………」
岬さんは無言でうつむいています。
「え!?…ひょっとして………。
い、いや、俺も1回ベーシック落ちてるし。
次は一緒に受験して、二人で合格すればいいんだし…」
岬さんがムスッとした顔をあげて、星くんをにらみます。
「…なに言ってるんですか、星さん?
スタンダードの試験なら、ちゃんと合格しました」
星くんの体から、へなへなと力が抜けていきました。
「な、なんだ…合格したなら、最初にそう言ってくれよ。
…でもまあ、おめでとう岬さん!さすがだなあ」
合格の一報を聞き、業務部のメンバーがやってきて、口々にお祝いの言葉を彼女に伝えます。
「(よかった!…おとといの件は、影響なかったみたいだな。
考えてみれば、一日勉強しなかったくらいで合否がわかれるほど、生易しい試験じゃないもんな…)」
星くんは安心して席に着くと、PCの電源を入れました。
オーグチさんの追加依頼、「入力された規格の一括チェック機能」の開発に取り掛かります。