まったく想定外
ブーーーン。
客先に向かう営業車の中で、オーグチさんはふんふんと鼻歌を歌っています。
「ふんふん、ふ~~~んっと。
…しっかし、まあ、星があれほどやれるとはね。
まったく想定外だったなあ、ブイビーエーかあ…」
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通いなれた客先への道を、車は軽快に駆けていきます。
「最初、江口さんから話を聞いたとき、ちょっと試しに…くらいに思ってたけど…。
いやいや、どうして。
今じゃあ、星の作ったシステムなしには、業務が回らないもんな。
大したもんだよ、実際」
交差点の手前で信号が黄色に変わります。
オーグチさんはゆっくりとブレーキを踏み、車を停止させました。