おじゃまだった?
「…へ?………なんで、ここに岬さんがいるんだい??」
星くんは目を丸くして、すっとんきょうな声をあげます。
一瞬、間をおくと、ハッとした表情で二人にたずねました。
「ひょ…ひょっとして俺、おじゃまだった!?」
「バ…バカ…!!何言ってんだ。ちがう、ちがう!」
八木くんはブンブンと両手を振って、否定します。
岬さんも隣で、同じジェスチャーをしています。
「星さんこそ、どうしたんです?
今日は、勉強会お休みって言ってたじゃないですか」
「いや、そうなんだけど。
…試験に合格したことだけは、会って直接、伝えておこうと思ってね…」
星くんは頭をポリポリとかきます。
「おお…合格したのか!星、おめでとう。
次は、いよいよスタンダードだな!」
「ありがとう、八木!
…おまえのおかげだよ!」
星くんと八木くんは、がっちりと握手を交わします。
岬さんは少しふくれっ面で、その様子を眺めていました。
「…あーあ。
勉強しようと思ってたけど、なんかやる気なくなっちゃいました。
今日は、もう帰りまーす。
八木さん、コーヒーごちそうさま」
そそくさと荷物をまとめると、岬さんは部屋から出ていきました。
「……八木。
彼女ホントに、何しに来たんだい?」
「…さ、さあな。
何しに来たんだろうな…?」
八木くんは、コーヒーで汚れたズボンをはき替えながら、バツが悪そうに答えました。