確かめるっきゃない!
「…このマンションが、なんか怪しいんだけど…!??
………となったら、確かめるっきゃないわね…!」
岬さんは八木くんのマンションを見上げながらつぶやくと、
やおらケータイを取り出し、星くんに電話をかけました。
プルルル…。星くんのケータイの着信音が響きます。
「…ん。電話か?八木、ちょっとごめん。
…え?…岬さんからだ。なんだろう?
………もしもし…」
「岬です、おつかれさまです。
急用があるので、窓をあけて道路を覗いてもらっていいですか?」
「へ?道路……?いったい何の話だい??」
星くんが窓際に駆けより、窓を開きます。
顔を出して外を覗くと、岬さんと目があいました。
「え?え?え~~~!?
なんで、ここに岬さんがいるんだよ!!??」
マンションから道路に出てきた星くんと八木くんは、岬さんのそばに歩みよります。
「どうしてここにいることが、わかったんだい?岬さん」
「そんなことはいいです。
……試験勉強はしなくていいんですか?星さん」
八木くんが、星くんの後ろでモジモジしています。
「ほ、星。会社の人かい……?
紹介してくれよ」
「ああ、すまん。彼女が前からよく話してる、岬さんだよ。
……こっちは八木。
学生時代からの親友で、……岬さんだから話しちゃうけど……俺のVBAの先生なんだ」
岬さんはまるで、ライバルを見つめるような眼差しで八木くんを見つめます。
「ふ~~~ん。
星さんにはきっと、VBAの優秀なアドバイザーがいると思ってたけど……あなたが、そうなのね…」