朝から会議室で…
翌日、星くん不合格のニュースは、またたく間に会社中に広まりました。
岬さんは、チラッと星くんのデスクを見ます。
彼は朝から岩田部長に呼び出され、会議室でお小言を受けています。
「(…星さんには悪いけど、はっきり言って今回のことはイイ薬だワ。
いくらなんでも、資格試験のことをなめすぎよ!)」
次に泉先輩のデスクに視線を移します。
彼女はオーグチさんとふざけあいながら、合格を自慢しています。
「(…それにしても、まさか本当に合格しちゃうなんてね…。
あーあ、ちょっと予想外だったなあ…)」
岬さんは、フーンとため息をつきます。
「…一緒に受験した泉くんが合格したということは…、
きちんと勉強すれば誰でも合格できる、ということじゃないのかね?
星、おまえ今回の受験に対して、どのくらい勉強したんだ?」
星くんは岩田部長の質問に答えようがなく、うつむいてしまいました。
「…いくらなんでもテキストくらいは全部読んだんだろう?ちがうのか?
………星、まさかとは思うが………
おまえ、ちゃんとテキストを購入したんだろうな…??」
星くんは泣き笑いのような表情でボソッとつぶやきます。
「…買ってません………」
「!!!!!!!!」
廊下まで届くような大きな声が、会議室に響き渡りました。
「ばっかもーーーん!!!!」
ひゃあと星くんが肩をすくめます。久しぶりの岩田部長の雷です。