星くんが指差した場所
「星さん、スタンダードの勉強、どのあたりまで進んでるんです?」
「えっと。このあたりかな…?」
星くんが指差した場所を見て、岬さんは思わず大きな声を上げます。
「…はああ??
…星さん、やる気あるんですか!??」
岬さんがあきれるのも無理はありません。
星くんが指差した場所は、1章の6「デバッグ」の箇所でした。
「たった9ページしか進んでないじゃないですか!
しかも、1章はベーシックのおさらいだから、実質ほとんど進んでないってことになりますよ!」
星くんは頭をポリポリとかきます。
「…いや、ほら、オーグチさんの案件で忙しかったってゆーか…。
なかなか、ほら………すんません」
岬さんは、腰に手を当てフンと鼻を鳴らしました。
「…しょーがないですね。
いくらまだ時間があるといっても、スタンダードの学習は、それなりにハードです。
ちゃんと計画を立てないと、間に合わなくなっちゃいますよ」
「おっしゃるとおりです」
星くんは、情けない声を出しました。
これではどっちが先輩か、わかったものではありません。
「とりあえず…全体の学習は、星さんがこれからペースアップするとして…、
今の時点で学習に不安のある章とか、あります?」
「そうだな…。それなら、えっと…」
星くんは、パラパラとテキストをめくります。
「前にチラッと覗いた程度なんだけど…ここなんか難しそうだったな…」