「でもなあ…、仕事の内容が大して変わらないのなら、
別に今のままでもイイと思うんだけど…」
星くんと泉先輩、岬さんは残業のため、事務所に残っています。
森川くんと岩田部長は、定時で早々と帰宅しました。
「う~~~ん。
話が難しくて、あたしにはよくわかりませんでした。
ただ、システム企画室って…なんかカッコいいですよね。響きが」
星くんの言葉に、岬さんが返します。
「……これってアレじゃない?
以前、若と飲み会やったときに、部長が言ってたやつ…」
泉先輩が、思い出したかのようにつぶやきました。
「…………確かに!
そういえば、部長そんなこと言ってましたね。
システム企画室がどうたらとか、他社のシステムがどうたらとか…。
あれって、コレのことだったんですかね?」
「えっ?えっ?……いったい、何の話です?」
「そっか、岬さんは飲み会にいなかったんだよね。
……言ってたんだ部長が。
全社的な動きをするには、システム企画室のような独立した部署が必要だって。
そしていずれは、他社のシステムを受注開発できるようにしたい…って」
星くんの言葉に、岬さんが眼を丸くしました。
「えっ。それってすごくないですか?
まるでウェアハウスか、システム屋さんのようですね?」
「いや……それは若に、
"全ての業務をVBA化したら、やることがなくなってしまう"
って焚きつけられたんで、苦しまぎれに言ったんじゃないかと思うよ。
まさか本気でそんな……」
笑いながら答える星くんの顔が、徐々に真剣な表情に変わります。
「(冗談だよな……。
でも部長のことだから…ひょっとして…)」
引きつった星くんの顔に、薄っすらと汗がにじむのでした。
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