Accessへの想いを語る八木くんの気迫に、一同は口をあんぐりとあけ、目を丸くしています。
「デ、データベースの有用性は、よくわかったよ八木。
…でもおまえ、そんなにAccessに対して、深い思い入れがあったっけ…?」
星くんは思わず、普段の口調でそう漏らしました。
「…別にAccessに特別な思い入れは無いよ。
俺が心血を注いでいるのは、あくまでVBAに対してだ。
ExcelもAccessも、VBAで操作するアプリケーションとしての位置づけは、同じだよ」
八木くんもつられて、いつもの口調でそう返します。
「…オホン、失礼しました。
……このように、Accessはデータベースソフトの傑作であり、王様です。
それに対してExcelは、やはり表計算ソフトの傑作であり、王様なのです。
ExcelとAccessが連携することは、まさに王様同士が連携することに他なりません。
そして、それを可能にするのがADOによるデータベース操作なのです」
「ふうう~~うん」
泉先輩が納得した表情で、長い相槌を打ちました。
「前にAccessのテーブルを触ったことあるけど、ワークシートのつもりで扱っていたから、
うまく操作できなかったのね。
表計算とデータベースでは、考え方が全く違うんだわ…。
ありがと、八木っち。
Accessの機能を全部解説してたら、おそらく1日あっても足りないのよね?
…後は各自、独学するとして、本来の報告の方をしてちょうだい」
岬さんも、隣で相槌を打っています。
二人は、データベースの概念が理解できたようです。
「そうですか、ありがとうございます。
…ではADOの更新処理について報告を始めます」
八木くんは爽やかな笑顔でそう返すと、本題の進捗状況の報告に戻りました。