「あきれたわ…。
VBAって、ホント何でもできちゃうのね……」
水木さんはあっけにとられた顔で、そう言いました。
「以上で、VBAに関するレクチャーは終わりです。
いかがでしたか?」
時計の針は4時を回っています。
二人の顔に、疲れが浮かんでいました。
「おもしろかったわよ!
VBAなんて、自動実行に毛が生えた程度だと思ってたけど…。
色々できるのに驚いたわ。
みんなが夢中になるわけね」
水木さんは帰り支度をしながら答えます。
「今日は、ありがと。
マコちんも今度、電算室に遊びにいらっしゃい。
基幹システムのレクチャーをしてあげる」
「ありがとうございます。
ぜひお願いします」
岬さんはニッコリと笑いながら、うなずきました。
資料室へと続く長い廊下で、梶田部長と社長がバッタリ顔を合わせます。
社長は、外出から帰ってきたところです。
「お疲れさまです。社長」
「梶田くん。キミの会議での豹変っぷりには驚いたよ。
…これまでと、真逆のことを言い出すんだからな…」
梶田部長は頭をかきながら、恐縮しています。